第4回「そうは問屋が卸さない」
Vine Linuxを起動しよう!
前回は,仮想マシンにゲストOSとしてVine Linuxのインストールをおこないました。今回はWindows PCにNASのHDDを接続して,仮想マシン経由でデータを救出したいと思います。
1.NASからHDDを取り出す
NASのマニュアル(取扱説明書)を参照し,NASからHDDを取り出します。HDDは衝撃や静電気に弱いため,取り扱いには細心の注意を払ってください。
2.Windows PCにHDDを接続
Windows PCにNASから取り出したHDDを接続します。クレードルタイプのHDDケースが1台あると便利かと思います。
3.「Oracle VM VirtualBox」を起動
「Oracle VM VirtualBox」を起動し,「VirtualBox マネージャー」で,前回の手順でVine Linuxをインストールした仮想マシン(Vine Linux 6.3)が選択されていること確認し,「設定」アイコンを押下します。
4.USBコントローラの有効化
設定画面が表示されたら,USBの項目に移動します。「USBコントローラを有効化」にチャックが入っていることを確認します。USBデバイスフィルターはご使用の環境により異なります。ここでは,「I-O DATA HDJ-U」と「asmedia ASMT1053E」が表示されています。「I-O DATA HDJ-U」は当スタジオで元々使用していた外付けHDD,「asmedia ASMT1053E」が今回新たに接続したNASから取り出したHDD(クレードルタイプのHDDケースを使用)となります。右横のアイコンでデバイスの追加,削除などの設定ができます。ご使用の環境に合わせて設定した後,「OK」ボタンを押下してください。
5.ゲストOSの起動
「VirtualBox マネージャー」に戻り,「起動」アイコンを押下します。
6.GRUBブートローダ画面
はじめに,GRUBブートローダが表示されます。「Vine Linux (Current kernel)」と「Vine Linux (Previous kernel)」の選択画面が出てきます。とくに,理由がなければ「Vine Linux (Current kernel)」で問題ないかと思います。kernelをアップグレードした後,「Vine Linux (Current kernel)」で問題が発生した場合は,アップグレード前のkernelである「Vine Linux (Previous kernel)」を選択してください。
7.Vine Linuxが起動
Vine Linuxが起動中です。
8.Vine Linuxにログイン
Vine Linuxが起動しました。ログイン画面が表示されますので,ユーザ名を確認しパスワードを入力してください。
9.「コンピュータ」をダブルクリック
ログインすると,Vine Linuxの標準デスクトップ環境であるGNOME画面が表示します。画面左上の「コンピュータ」をダブルクリックします。
10.接続されているドライブが表示
やりました!成功です。「1」「2」「10」「RAID-1 アレイ」とそれらしい名称のドライブが表示されています。
11.「場所をマウントできません」と警告
有頂天になり「1」「2」「10」「RAID-1 アレイ」と順にクリックしていきます。しかし,何れも「場所をマウントできません」と警告がでます。残念ながら,ぬか喜びでした。
12.ひとまずVine Linuxをシャットダウン
「場所をマウントできません」では意味がよくわからないメッセージです。下手に弄って,事態を悪化させては大変です。ひとまずVine Linuxをシャットダウンすることにしました(もし,正常にマウントできるようであれば,必要なデータをWindows PCからアクセスできる安全な場所に救出してください)。
13.シャットダウンの確認メッセージ
シャットダウンの確認メッセージが出力されます。「シャットダウン」を押下します。
14.Vine Linuxの終了中画面
Vine Linuxが終了中です。起動中の画面に似ています。
やすやすと思う通りに運ぶものではない
Linuxであれば,XFS形式のファイルシステムにアクセスできると考えていましたが,物事はそう簡単には運びません。ミラーリングとはいえ,RAIDを組んでいる以上1台だけ(片側だけ)では簡単にマウントできないとみています。ここは,先人の知恵を借り,RAID 1のデータ復旧について勉強してから出直すこととします。